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行ってきたで。

M.C.エッシャー展〜視覚の魔術師〜
 2010.3.20-2010.5.9 月休(3/22開館 3/23休、5/3開館 5/6休)
 9:00-17:00 9:00-19:00(金土) 入館は30分前まで
 奈良県立美術館
 奈良市登大路町10-6

 ツイッターのつぶやきで知った M.C.エッシャー展へ行ってきました。
 エッシャーといえば、ありえない図形を元にした絵や横に移動すると次々に違うものが現れる絵などが有名であるが、その作風になる前に制作していた版画なども展示されていた。

 錯覚のトリックを用いた表現、座標変換による表現、異質なものを組み合わせた表現、これらを組みわせてとても興味深い作品を展開している、これがエッシャーの醍醐味。

「立方体とマジックリボン」
 出っ張っているところが目を移していくと引っ込んでいるかのように見える錯覚を使っている。

「メタモルフォーゼ?」
 左から右に移動して行くと次々に主題が変わって行く。
 空白が主題に、そしてさらに新しい空白が主題に。
 右から左に、左から右に移動して見て、初めてその面白さがわかる。静的な絵画を動的に楽しむものである。

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「四面体の小惑星」
 四面体の表面に建物や階段がある。
 この惑星では平面がねじ曲げられている。外から見ると建物のラインが湾曲しているように見えるが、ここで住んでいる人たちはのこれが直線なのだ。

「上と下」
 一枚の絵で同じ建物を上から見たものと下からみたものを同時に見ることができる。
 この紙の中では垂直線を異なるように設定してある。

 上2つの作品は空間から違う空間への座標変換による表現を行っている。
 その表現の元になる作品は「写像球体を持つ手」だろう。
 自分が手で持っている球面に自分の姿が映っている。
 空間の球面に対する写像である。

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「静物と街路」
 1つの絵に2つの世界。
 本の並べられている机の延長が街の建物の間の通りになっている。
 あり得ない世界。シュルレアリスムとつながる。

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「24の寓意画」
 オレは、風俗画や風刺画、寓意画など、絵に意味が隠れていたりするものは好みなのだが、エッシャーに関して言えば、他のものが面白くてこの作品にはインパクトがないと感じる。

 エッシャーの作品は初め、芸術とは認められなかった。
 まず最初に注目したのは数学者や結晶学者などの理系分野である。
 確かにこの絵を見て、芸術というよりは頭の体操的なものを感じるだろう。

 ビデオを見ていると、驚いたことに、エッシャーが中学レベルの数学でも苦手とするような人だったそうだ。
 あの作品を見ていると緻密に計算されて制作されたものと思っていた。

 教科書で学ぶような数学の勉強は興味もなく、苦手だった彼ではあるが、直感で幾何学的、パターン化思考を行っていた。
 それは彼の内から沸き立つインスピレーションを表現したい欲求からであった。
 そのインスピレーションはアルハンブラ宮殿のモザイク模様に衝撃を受けた時から生まれたものだと思うが、その元は父親の影響もあったのではないか。

 数学の勉強はわからなかったのかも知れないが、平面や立体の表現に対しては卓越した感受性を持った人だったのだろう。

(2016.4.14追記)