本当にラブリー(笑)
(2009年5月9日撮影)
シンポジウム「クモの世界の楽しみ」
2016.11.20
13:00-15:30
大阪市立自然史博物館 本館講堂
大阪市東住吉区長居公園1-23
大阪自然史フェスティバル2016
(スケジュール)
13:00 はじめに
13:10 「クモ:身近な隣人の知られざる生態」
馬場友希氏(国立研究開発法人農研機構 農業環境変動研究センター)
14:00 休憩
14:10 「あなたもハエトリを探したくなる!」 須黒達巳氏(慶應義塾幼稚舎)
15:00 「クモをとりまく昆虫たち」 松本吏樹郎氏(大阪市立自然史博物館)
その後、質疑応答など。
今回、ここに来た主目的がこのシンポジウムに出席することでした。
12:40頃に講堂へ。結構人が集まってきた。
近くに座っている人達がクモの標本をネタに話をしている。南米の毒グモのようだ。
クモ同好会の人らしい。
13:00になり、シンポジウム開始。
司会の松本吏樹郎氏(大阪市立自然史博物館)があいさつ。ああ、やっぱりこの人Oさんに似てるなぁ。
そしていよいよ本題へ。
「クモ:身近な隣人の知られざる生態」
馬場友希氏の登壇。
クモってどんな生き物か、クモの身体の特徴、象徴的とも言える網、オスメスの事、最後に人との関わりについての話を通じて、大概の人が知っているクモの知らない部分を紹介していく。
造網性のクモからハエトリグモなどの徘徊性のクモが進化してきたということが意外だった。
徘徊性のクモは網を作るのをやめたってことなんだな。
クモの網の構造の多様性に驚く。
よく思い浮かべる円形の網(円網)の他にも立体的な構造を持つ網があるがその形も多種多様。
はしご網というガを捕まえるのに特化した構造や、獲物を捕らえるための粘球の代わりに細かい糸をくっつけ、静電気で獲物を吸引しているのではないかと言われているもの、はたまた粘球を付けた糸を振り回してガを取るものまでってもうこれは網じゃない。
クモはオスが小さく、メスが大きいことが多い。
オオジョロウグモでは体重差が約100倍あるそうだ。
オスはメスに食われたりする。しかも交尾前に食われてしまうこともあるらしいのでそれは本当に犬死だ。
後程の「クモになるとしたらどのクモがいいですか」と言う質問に「オスにはなりたくない」との返答を馬場氏がしているのは、まあ至極当然かと。
クモは見た目から嫌われていることが多いけど、実際は害虫を食べてくれる存在である。そういうところも見てやらないといけないなと感じる。
休憩後、次の講演に。
「あなたもハエトリを探したくなる!」
須黒達巳氏の登壇。
クモの中でもビジュアル的にも受け入れられやすいハエトリについての紹介。
ハエトリグモの特徴、代表的なものの紹介から、ハエトリグモの見つけ方や演者本人の日本のハエトリグモ全種制覇や新種発見にまつわるエピソードの話など、ハエトリグモを愛してやまない感がビンビン伝わってくる講演だった。
確かにハエトリグモはビジュアル的にとてもかわいらしいと思う。
この記事の冒頭の写真は以前私が撮影したものだが、どう見てもかわいいだろ。
ハエトリグモは他のクモと違って、目がとてもいい。
PCのディスプレイに留まっていて、マウスカーソルの矢印を獲物と勘違いして追いかけたりするのもおちゃめ。
ハエトリグモは家の中や身近なところにもたくさんいるので、とても見つけやすい。
代表的なものが、屋内ではアダンソンハエトリ、チャスジハエトリ、屋外ではネコハエトリ、アリグモなど。
アダンソンハエトリは世界中にい過ぎてどこが原産地かわからないというのが面白い。
日本のハエトリグモ全種制覇への道や新種を見つけるためのフィールドワークについての話はとても面白かった。
いや、おれだったら挫けてるよな、これは。
何度も現地に赴いてようやく発見できたとか言うのを聴くと本当に根気のいる作業なんだなと思う。
最後に「クモをとりまく昆虫たち」松本吏樹郎氏の登壇。
クモは主に昆虫を食べる捕食者としての存在であるが、そのクモを食用として利用する昆虫がいるという話。
クモの卵を狙うもの、クモ本体を狙うもの。
クモを麻痺させてそこに卵を産み付けて幼虫のエサにする狩りバチ、クモに寄生して最終的には食い殺してしまうヒメバチの話。
■自然史オープンセミナー(8月)「クモヒメバチの自然史」@大阪市立自然史博物館 に行ってきました。(2012.8.18)でも聴いた話だけれども、クモをコントロールして自分の都合の良いような網を作らせる幼虫とか本当に上手くできているなと感じる。
講演が終わり、講演者への質疑応答。
鋭い質問や将来有望な子供からの質問があり、クモ業界も捨てたもんじゃないなと。
講演を聴き終わってまず思ったことは、この人たちはほんまクモが好きなんやなあと思うこと。
ここで聴いている人たちもそうだと思う。
この情熱はどこからくるのかと。
特に研究者として将来有望な子供もいて頼もしい。
外に出てクモ探しに行こうか。