フェルメール展
2019.2.16-2019.5.12 2/18、2/25、3/4、3/11、3/18休
9:30-17:00 入場は閉館の30分前まで
観覧料:一般1500円
大阪市立美術館
大阪市天王寺区茶臼山町1-82
フェルメール展大阪
〇〇〇
今回はネットでチケットを購入した。
QRコードのついたチケットをスマホで見せて入る。
半券を渡された。
これはいいね。紙のチケットの様に記念になる。
周囲の飲食店などのサービスを受けるのにも必要だな、これ。
入口付近は混雑している。
フェルメール作品は奥にあるので、先に見る。
この時間かなりすいていた。
みんな順番に見ていくからな。
宗教画である「マルタとマリアの家のキリスト」と風俗画の「取り持ち女」が同じ部屋に展示されているのがいいね。
「マルタとマリアの家のキリスト」は「聖プラクセディス」の様にあからさまに宗教を匂わせてはいなくて、その当時の生活の風景の様にも見える。
「取り持ち女」は当時の下世話な方の生活の風景をダイレクトに示したもの。
そういう目で見ればこの2作品はつながっていて、同じ部屋に展示されているのも頷ける。
今回の6作品のうち、3作品が手紙をテーマにしている。
「手紙を書く女」、「恋文」がハブリエル・メツーの同じテーマである「手紙を書く男」、「手紙を書く女」が同じ部屋に展示されていた。
光の感じがフェルメールの方が柔らかく、全体的に少し暗い感じがする。
「手紙を書く婦人と召使い」は構成的に「恋文」と交換してもいいかも。
インパクトは「恋文」が大きいからこっちになったのかな。
ハブリエル・メツーの「手紙を書く男」、「手紙を読む女」はセットになっているんだな。男が書いた手紙を女が読むという流れ。
「リュートを調弦する女」、「手紙を書く婦人と召使い」が同じ部屋に展示されていたが、他と合わせられない2点をまとめた感が拭えない。
この展示会で「リュートを調弦する女」はここに展示されている他のフェルメール作品と組み合わせが難しいと思った。
フェルメール作品の展示会にはヤン・ステーン作品が必ずあると言っていい。
そして、例に漏れずこの展示会にも作品が2点展示されている。
この人の寓意画は面白いので好き。
「家族の情景」、「楽しい里帰り」ともに、大人のする悪いことが子供に影響を与えるよという話が含まれる。
ヤン・ステーン「家族の情景」
でっかい態度のおっさんが目立つ。このおっさんが反面教師なんだね。
ヤン・ステーン「楽しい里帰り」
おっさんが女性といちゃついてるのをしかめ面で眺めるお母さん、白けた目で見る子供。
魔法使いのステッキみたいなのを振り上げている子供、それは何だ?
この時代のヨーロッパ美術関連の展示を見ていると必ず目にする「聖ルカ組合」。
ヤン・デ・ブライ「ハールレム聖ルカ組合の理事たち」にも聖ルカのレリーフを胸にドヤ顔のブライさんがいる。
そして、我らがヨハネス・フェルメールもデルフトの組合に加入し理事も勤めている。
この「聖ルカ組合」は、若手芸術家の修行の監督や外部からの競争からの会員の保護などを行う芸術家の職業組合。ギルドってやつですな。
ここで名前が出ている「ルカ」とは、キャラクター・ボーカル・シリーズ03ではなくて、新約聖書の『ルカによる福音書』及び『使徒行伝』の著者とされる人物で医者及び画家の守護聖人とされている。
聖路加病院の「路加」はルカのこと。
語感から日本では女性の名前として使われるが、ルカは男性で、男性名として用いられている。
その他目についた作品について。
アブラハム・ストルク「捕鯨をするオランダ船」
ホッキョクグマやクジラと昔の帆船がマッチしないのは現代に生きてるからか。
実際に取材してんのかな、この画家。
ヤン・ウェーニクス「野ウサギと狩りの獲物」
野ウサギの毛の表現がリアル。
ヨブ・ベルクヘイデ「パン屋でレースを編む女」
なぜパン屋でレースを編むのか謎って説明に書いてあったけど、店番が暇だったんじゃない?
6点の作品を一部屋に置かずに2点ずつの組み合わせにしたところはとてもいいと思う。こちらが勝手に思っているだけかも知れないけど、組み合わせの思想が伝わってくる感じがいい。