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2015081604ルーヴル美術館展@京都市美術館 へ行ってきました。

ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄
 2015.6.16-2015.9.27 月休(7/20,9/21祝は開館)
 9:00-17:00
 9:00-20:00 6/19,24,25,26,9/19,20
 入場30分前まで
 大人1600円
 京都市美術館 本館北1F
 京都市左京区岡崎円勝寺町124

 古代の陶器や墓碑などに描かれたものから19世紀位の絵画まで、ルーヴル美術館所蔵の作品の中でも日常の暮らしを表現した「風俗画」でまとめられた展覧会。
 この風俗画ってのはかなり面白くて、当時の暮らしを窺い知れるだけではなく、その絵の中に当時の教訓などが込められているところが魅力。

 目を惹いた作品を紹介。

ジョセフ=マリー・ヴィアン「アモルを売る女」
 カゴに入った羽の生えた赤ちゃんが3人、そのうちの1人を向かいの椅子に腰掛けた女性に差し出している。
 アモルとは何?と思ったけど、タイトルの英訳にCupid(キューピッド)とあった。
 キューピッドって売り物?
 キューピッドを差し出す女性が蝶を持つように羽根をつまんでいるのを見て、キューピッドってそう持つんだなあと。
 まあ永遠に使うことはないけど。

マリヌス・ファン・レイメルスウァーレに基づく「徴税吏たち」
 男性の顔の歪みが徴税吏が市民に疎んじられていたのを示しているようで、ちょっと気の毒になった。
 特に向かって右側の男性の顔の歪みが酷い。
 まあ、税金の意味が今とは違うだろうから印象も変わって当然だろうけど。

クエンティン・マティス「両替商とその妻」
 金を天秤にかける旦那、それを横で見ている妻。
 キリスト教の影響だろうけどお金を扱うことに対して欲に走るなと言うこと、そして職業の存在意義である金を儲けること、これら相反することを求めなければならないのは大変だと思う。

ヘリット・ファン・ホントホルスト「抜歯屋」
 偽物の医者、抜歯を見る人の持っている物をくすねるスリ、この場面で様々なドラマが示されているのが面白い。

ニコラ・レニエ「女占い師」
 先程のヘリット・ファン・ホントホルスト「抜歯屋」に通じるものがあるが、上流階級の女性を占うロマの仲間が女性から何かを盗もうとしているが、その占い師からものを取るスリがいる。上手くやったと思いきや自分もはめられているというのがまた面白い。

ヨハネス・フェルメール「天文学者」
 左の窓から差し込む淡い光、壁にかけられた絵、部屋にいる人物、フェルメール作品によく用いられる構図。
 淡い光に映った男性のその表情から学問に勤しむ真剣さが窺い知れる。
 この作品と対になる地理学者とモデルは同じ人だったっけ?
 この作品は1668年制作ということで、私が生まれるちょうど300年前になる。
 そう言えば、ヨハネス・フェルメールは42歳か43歳で亡くなっているから、私はもうとっくの昔にその歳を越えてしまってると思うと感慨深い。

ジャン=バティスト・グルーズ「割れた水瓶」
 純潔の喪失をテーマにした絵画。
 白い服をまとった少女、服は少し乱れて左の乳房が少しあらわになっている。
 右腕には割れた陶器の入れ物、腰辺りに服で花をくるんで持っているような。
 テーマがかなりストレートに描かれているのはよくわかる。
 少女の表情は言うほど虚ろだと思わないけど、これ以上露骨に示すと鑑賞し辛くなるか。
 瞳に少しある反射光、整った顔立ち。
 何だか抱きしめて慰めてあげたくなるような印象を受ける。
 愛おしいなあ、この娘は!
 少し離れて見ると瞳のハイライトが消えて表情も暗く感じる。このイメージの方がテーマ的にはいいのかな。

ヘンリー・シングルトン「ヴァンシュタイン伯爵、姉マティルデとリンドルフ男爵」
旧タイトル「二人のライバル」

 二人の男性と一人の女性、右にいる男性に女性が寄り添っている。
 以前のタイトルの方が目を惹くよな。
 この女性が姉(身内)かそうでないかで、この絵の見方がころっと変わる。
 この女性が姉であることがわかってタイトルを変えたのか、それとも邪な感情を呼び起こさないために変えたのか。
 多分、姉だとわかったんだろうけど。

ルイ=レオポール・ポワイー「籠の鳥」、または「恋人たちと飛び立つ小鳥」
 椅子に座る男性、そのそばに立つ女性。
 テーブル?の上には一羽の鳥がいる。
 これもタイトルで絵の解釈が変わる。
 「籠の鳥」と言われると、この女性はこの鳥のように男性に囲われて逃げられないようなイメージを想起させる。
 「恋人たち・・・」と言われるとこの二人が鳥が飛び立つように幸せに向かって羽ばたいていくイメージ。

ジャン=バティスト・イレール「幸福な囚われ人」
 全裸の女性が豪華なベッドに寝転がり、寛いでいる。何だか退屈そうに見える。
 その傍には茶白の小型犬。
 女性は上流階級の愛人なのかな。
 何不自由ない暮らしだけど、ここ以外に行くことができない。
 この女性はここにいる小型犬と同じ立場であるということを示しているんだろうな。

ジャン・シメオン・シャルダン「猿の画家」
 アレクサンドル=ガブリエル・ドゥカン「猿の画家」、または 「アトリエの情景」
 画家を猿に見たてて描いているのは、独自性を失った画家たちを猿真似だと皮肉ったもの。
 決して動物園で時々見られるような動物に絵を描かせてみたというものではない。

オクターヴ・タサエール「アトリエの情景」
 暖炉のそばでナイフを使って芋?の皮を剥く男性。暖炉には火にかけられた鍋。
 食事を作っている最中。
 白い長毛猫がその横で暖を採っている。
 男性の疲れた虚ろな顔。
 家族はこの猫だけなんだろう。
 絵を描いているシーンではないところは画家の画家でないところを見せたかったのかなとも思う。
 夢を持って画家への道を歩んでみたものの、貧しく寂しい生活、でも絵を諦めきれない。そんな画家を思い浮かべる。
 やがて画家は極貧の中力尽き、この猫が画家から受け取った手紙を故郷の恋人へ届けに走るんだよ、きっと。
 って、あれは黒猫やったわ。

 やっぱり風俗画って面白い。
 それを再確認した展覧会でした。
 絵から何かを紐解くのが好きな人とかは面白んじゃないかな。
 ああ、そんで名探偵コナンが音声ガイド解説にいたんだな、って主催に読売テレビが入ってるからだけか。

 前売券を購入して行ったのですが、当日券の方がよかったかなぁ・・・。
 前売券の絵はクエンティン・マティス「両替商とその妻」、当日券の絵はやはりヨハネス・フェルメール「天文学者」だったので。

 2015053001猫にアートはわからぬ。
(参考)ルーヴル美術館展の前売券。(■猫にアートはわからぬ。(2015.5.30)より)

 私は今日8月16日の午後2時過ぎに美術館に到着したのですが、その時は待ち行列もなく、館内の人混みも十分許容範囲。メインのヨハネス・フェルメール「天文学者」もすんなり見ることができました。
 そして、閉館時間の30分前になると人がほとんどいなくなり、展示を最初から間近に見て回れたのでちょっとお得感。

 なお、図録は購入できず、内容も見ることができなかったので、絵の解釈は見当違いのことを言っているかも知れません。その点はご容赦を。
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2015053001猫にアートはわからぬ。
 ルーヴル美術館展の前売券をゲットしました。
 あとは見に行くだけ。

 ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄(6.16-9.27 京都 京都市美術館 本館北1F
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2015051605天文学者。1
 ふむふむ、そういう寓意が・・・。

2015051606天文学者。2
 って、猫には芸術はわからぬ・・・。

 ルーヴル美術館展(国立新美術館)にて公開中のヨハネス・フェルメール「天文学者」が美の巨人たちに登場。
 京都市美術館にも巡回するので楽しみにしております。

 ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄(2.21-6.1 東京 国立新美術館
 ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄(6.16-9.27 京都 京都市美術館 本館北1F
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