<トーマス・デマンド展>
2012.5.19-2012.7.8 月休
10:00-18:00 入場は閉館30分前まで
東京都現代美術館 企画展示室3F
東京都江東区三好4-1-1
紙で被写体になる場面を立体で作り出し、それを撮影するという面白そうな作品。
とても精緻に作られているものの、紙であることがわかったりするのがまた面白い。
「宇宙シミュレーター」は平面の質感をわざと殺して描かれているようなアクリル画に見える作品。
元々の材質は金属だろうから、その質感の違いだろうか。
「洞窟」は紙の彫刻と言うのがわかる作品。紙を重ねて、それを削って作られたことが実物でわかる。
それがわかった上でもすごい存在感がある。
「大統領室」シリーズはカーペットが細かく切った紙を置いているのだが、これがまたうまくカーペットを表現している。
写真だけではなく映像作品もあった。
映像はストップモーションアニメ。
「パシフィック・サン」は大波に襲われた客船の内部を監視カメラが撮っていたものを再現したそうだ。
テーブルや椅子、ストローやナプキンなどの物をすべて紙で作り、少し動かして撮影、また動かして撮影、を繰り返して作成。
それだけを聞いても驚きだ。
Thomas Demand's film "Pacific Sun" at Matthew Marks gallery
パシフィック・サンの実際の映像。
(2019.3.27 動画2つ追加。)
「雨」は雨が降ってきて、地面に水しぶきが飛んでいるのを表現した作品。これがまた面白い。作りものであることはわかるけど、一粒一粒の雨とそれが地面にあたった時にできる飛沫を表現しているところが面白い。
この作品が置かれていた部屋は作品を壁に映し出す映写機が低い位置に置かれていて、人が通ると影が映るようにしてあった。
観客の影も作品に取り込む面白い手法だと感じた。
客も少なく、天井が高くて広々とし、明るかったせいか、とても落ち着いて見ることができた。
美術館はこれくらいじゃないと落ち着いて見られないわな・・・。
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