今日で阪神淡路大震災から丸10年たつ。長いようで短いような10年だった。
 10年前、おれはある会社で勤めていた。10年後に今のような暮らしをしているとは思ってもみなかった。

 好みもかなり変わってきたように思う。

 10年前、一番夢中になっていたものはアイスホッケーだった。自分が所属しているチームの練習だけでなく、よそのチームの練習にも参加させてもらい、多いときには週に4、5回はリンクに上がっている状態だった。
 アイスホッケーも2年前からやってない。正直言って、ホッケーへの熱意もかなり冷めてる。

 でも、おれみたいな運動嫌いがこともあろうにスポーツに熱中することができたということは、過去の思い込みがあてにならないということの現れであろう。

 今、夢中なのは、主にネコの撮影。自分としてはかなり意外な物を好きになったなと思う。
 もともと、おれは動物が嫌いで、もちろんネコも嫌いだった。しかし、5年前に友人が飼っていたネコと出会ってから、ネコに対する気持ちが180度変わった。それから静かに、しかし確実にネコ好きになっていき、現在に至るというわけだ。ここでも、過去の思い込みはあてにならないことが現れている。

 ネコを撮影している最中は余計なことを考えることがない。
 どのように写せば、このネコが映えるだろうか、いい絵になるだろうかと考えながら撮る。そして撮影の後には感謝の気持ちがわいてくる。撮らせてもらってありがとう、といつも思う。

 震災から10年という節目の年、過去から学びつつ、前を向いて歩き続けよう、そして、自分の好きなことを持ち続けていたい、そう思う。