魅力的な作品はどこにある?
<対話する美術/前衛の関西>
2012.6.9-2012.7.29 水休
10:00-17:00 入館30分前まで
一般300円
西宮市大谷記念美術館
西宮市中浜町4-38
最初の部屋「カンヴァス上の格闘」を除いて2人の作家の作品を一部屋に展示したのは作品の対話を促す目的で、展示会のタイトルにもそれが表れている。
それがうまくいっていると感じた部屋もあれば、どうだろうと思うような部屋もあった。
ともあれ、このように作品を対比させる展示は面白い。
(カンヴァス上の格闘)
油彩作品。
絵の具による凹凸を荒々しく残した作品もあれば、筆のタッチも残さない作品もある。
数点展示されている作家の作品は作風の変遷を示していて、非常に興味がある。
(時間と物質)
暗い部屋に2つの作品。
入口から左右対称の位置に置かれた立方体状の作品にライトが当たる。
この展示法に美的センスを感じる。
モーターで回転するガラス瓶に入った角砂糖がコロコロ音を出す藤本由紀夫さんの作品は1995年の作品で、何度も展示しているらしいのだが、まだコロコロ音を出し続けている。
展示しているうちに角砂糖が砕けて粉になってしまうのではないかと作者は思っていたそうな。
ガラス瓶は最初は透明だったみたいだが、砂糖が小さな粒になってガラス瓶の内壁について白くなったのかな。最初見た時は陶器かと思った。
(世界を映す)
構造の妙を感じさせる展示は植松奎二さん。
これはうまいことバランス取ってるなと感じる作品達が目を惹く。
植松さんはギャラリーノマルでの展示で初めて知った作家。
ノマルの展示より面白い。
(目に見えないもの)
部屋に入ると天井からぶら下がった革の塊が目に飛び込んでくる。
壁にはその作品をくわえた裸の男の写真が。
エクトプラズマを表した作品だそうな。
だから口からくわえてる写真があるのか。
エクトプラズマって、白っぽくてぼやっとしているもんだと思うけど、これは革で覆われた球を連ねた彫刻で、生々しい。
革を縫っている縫いしろが表面にあるために、それが革に浮き出た血管やしわのような感じがするので、ともすればグロく感じるかも知れない。
目に見えないものを表現するにも、し過ぎだ。
同じ部屋のもう一人の展示が霞んでしまったんじゃないかと。
(色彩の向こう)
木枠に布を貼り付けた作品は渡辺信子さん。
木枠のないところに布が曲面を描いているのが美しい。
青と白の布を用いた床に置かれた作品の白い布の距離感がつかめなくて、一見騙し絵のような感じになっているのが面白い。
<KyoとSamの立体作品展>
2012.6.10-2012.6.16
11:00-18:00 最終日16:00まで
ギャラリーストラッセ
兵庫県西宮市松生町18-21
ガラスのオブジェ、革を用いた作品、オートマタなどの作品展。
以前、何度か作品展にお邪魔したことがある御夫婦の作品だ。
Kyoさんの革を用いた作品は、以前のものと比べてカラフルになった。ラメ色がついた革をイルカのオブジェに用いていた。
水からジャンプした時の光沢感を出したかったと言う。
Samさんはやっぱりオートマタに目が行く。
時計にしかけられたからくり、ハンドルを回すのが楽しい。
ブレーメンの音楽隊をモチーフにしたからくり、ハンドルを回す時間は長いけど、その分楽しい仕掛けがどんどん出てくるのが楽しかった。
オートマタって面白い。
ちょうど客もいなかった時で、いろいろな話に花が咲いた。
楽しい時間を過ごさせてもらった。