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特別展「石は地球のワンダー〜鉱物と化石に魅せられた2人のコレクション〜」
 2017.4.22-2017.6.4 月休(5/1月は開館)
 9:30-17:00 入館30分前まで
 大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール
 (花と緑と自然の情報センター 2階)
 大阪市東住吉区長居公園1-23

 観覧料:大人 300円、高校生・大学生 200円
 期間フリーパス:大人 500円、高校生・大学生 400円

 詳しくは特別展「石は地球のワンダー」オフィシャルHPを参照してください。

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 大阪市立自然史博物館にて鉱物と化石の展示会が開催されているので見てきました。

北川隆司鉱物コレクション
 故 北川隆司広島大学教授が収集した鉱物標本の一部を大阪市立自然史博物館および大阪市立科学館にて展示しています。
 展示は大きく分けて「岩石を作る鉱物」「金属になる鉱物」「宝石になる鉱物」「鉱物の形」。
 それぞれ見応えのある鉱物がありますよ。その一部を紹介します。

「岩石を作る鉱物」

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 岩塩です。
 言わずと知れた食塩(塩化ナトリウム NaCl)の塊です。
 左側の標本の青い部分は長時間放射線を浴びて結晶構造に乱れができ、青く見えるとのことです。
 右側の標本の、食べることもできるが標本は失われるっていう説明に何とも言えん味わいが。

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 普通角閃石です。
 あれ、植物の化石か?と思ったんですが違います。
 シダ植物の化石みたいに見えた。

201704230007 2017032704横田真希展@Maruzen Button Galleryのお知らせ。
 ぶどう石です。(左写真)
 ぶどうの実のような形の石。
 先日の横田真希展での作品に用いられていた石(右写真)を思い出したんだけど、その石(グレープアゲード)とは異なる。

「金属になる鉱物」

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 自然銅

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 胆ばん(左) 藍銅鉱(右)
 銅の色と言えば10円玉の色とか思い浮かべるのですが、普通では化合物で産出されるのでこんなきれいな緑や青の鉱物が見られます。

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 菱ニッケル鉱。
 緑色の蛍光ペンのようなラインの部分が菱ニッケル鉱。
 石にこんな色のラインがあったら上から誰かが塗ったんじゃないかと思ってしまう。

「宝石になる鉱物」

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 ラズライト(ラピスラズリ)
 ラピスラズリと言えば天然ウルトラマリンの原料。
 フェルメールブルーですね。
 宝石になる鉱物という項目を見た時からあるかなと思って見てました。
 あってよかった。

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 コランダム(左) スピネル(右)
 コランダムってなんだと思ったらルビーやサファイヤのことなんですね。
 赤いコランダムをルビー、それ以外をサファイヤと言うらしいです。
 これだけでも何か勉強になったなぁと。
 そんでそのルビーに間違えられそうなのがスピネル。

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 石墨

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 ダイヤモンド
 同じ炭素なのにこんなに違うのは面白いよね。

「鉱物の形」

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 オーケン石
 なんだこのカビみたいなのは。でもこれも結晶らしい。
 触ってみたいな。

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 針鉄鉱
 この黒い針状の結晶、白い透明な水晶の中でとても目立って見栄えする。

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 石膏(砂漠のバラ)(左) 石膏(右)
 石膏ときいてイメージするのが骨折したときにお世話になるギプス。
 砂漠のバラも形状が面白いけど、右側の透明の結晶が石膏だって言われてもという感じがする。
 そういう意外性も楽しいもんです。
 ちなみにギプスなどに使われるものは「焼石膏」と言い、鉱物の石膏を熱して水分を飛ばしたものだそうな。

 結晶も様々な形があって面白い。同じ物質でも結晶構造が違うと外見が全く異なってしまう。

 ここに展示されている標本で約170点、流して見るだけでも鉱物って色々な種類があって、いろいろな形があって色があって面白いものだなと感じます。
 これだけあったらお気に入りの石が見つかるはず。
 さわれないのが残念だけど。
 ここに紹介した以外のものもたくさんあります。是非展示会へ。 

金澤芳廣化石コレクション
 金澤芳廣氏が四国を中心に収集された化石標本約600点の一部が今回展示されています。
 和泉層群と呼ばれる中生代白亜紀後期の地層からの化石が多い。

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 最も目を惹くのがアンモナイトですね。
 昔から代表的な化石として名が挙がってますし、猫好きな人なら猫が丸まって寝ている姿をアンモナイトの形状になぞらえて「アンモニャイト」や「ニャンモナイト」というのは知ってるかと。

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 このアンモナイトは変ですね。
 異常巻きアンモナイトと言うそうですが、これが一般的なら「アンモニャイト」や「ニャンモナイト」と言う呼び方は生まれなかったでしょうね。

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 この標本の見せ方はかっこいいですね。
 化石の周りはノジュールと呼ばれる硬い石の塊でそこから化石だけを取り出します。

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 エビ、カニ、ウニ。
 いいですね。海産物の宝箱やー、って感じです。
 エビなんて伊勢海老じゃないですかね。
 カニの形がしっかり残ってるところは素晴らしい。
 基本的な形はこの時代から変わってないんですね。

 他にも植物の化石や魚類、そして恐竜の化石もそろってます。

 過去にこの地球に生きていた生物たちの痕跡が悠久の時を経てこのように姿を現す。
 化石として見つかった生物たちはその時代やその生物種の代表になってしまうんだよな。

 47都道府県の石
 都道府県の鳥や花はあるのになぜ石がないの?ということで、日本地質学会が各都道府県の岩石、鉱石、化石を選定したそうです。
 その中で展示できるものは展示、できないものは写真などで紹介という形で展示しています。
 また、日本の石としてひすいが選ばれています。(日本鉱物化学会が選定)

 私は兵庫県在住なので、とりあえず兵庫県の石を見よう。

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 丹波竜は順当なところ。これを選ばずして何を選ぶのかというくらい。
 アルカリ玄武岩と言えば玄武洞、玄さんのいるところですね。
 玄武岩の玄さん知ってますか?知らない人は検索してください。
 黄銅鉱、明延鉱山今も採ってんかね、って1987年に閉山でしたか。

 後、目を惹いた石を紹介。

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 カオリンです。
 愛知県の石、ごめん、名前だけで選びました。
 でも、この石があったから瀬戸物があるんですよね。

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 三重県の石(左) 長野県の石(右)
 三重県の石で目を惹いたのが「ミエゾウ」の化石。
 ミエゾウと言う象がいたってこと自体が初耳だったんで。
 ナウマンゾウとかに比べるとマイナーじゃないですか。
 三重総合博物館に全身復元骨格があるそうです。

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 ひすい
 日本の国石として選ばれたそうです。
 このひすいに関する講演会が5月14日にあります。興味がある方は聴講されてはいかがでしょうか。
 第34回地球科学講演会「国石になった翡翠について」

 詳しくは「県の石」「ひすい」を我が国の「国石」として選定も参照ください。

 自分の出身の都道府県の石を眺めても普通の人はピンとこないとは思いますが、この展示を見て自分たちのいるところの地下に眠っている石のことを思いめぐらせてもいいかなと思います。


 この特別展を観覧し、鉱物、化石を通して、自分たちの住んでいる地球の営みに触れることができたのはとても有意義なことでした。
 博物館なんて、と思っている人でも一度訪れてみるのもいいかも知れません。


 この後、特別展記念講演会「鉱物の特徴と環境」を聴講しました。


(追記 2017.5.20)
 特別展「石は地球のワンダー 〜鉱物と化石に魅せられた2人のコレクション〜」をブログで紹介いただいています vol.2(2017.5.19)にてこの記事をリンクしていただいております。