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2017031907市民科学講演会「宇宙と素粒子の新しいトビラをひらく」1

日本物理学会 市民科学講演会「宇宙と素粒子の新しいトビラをひらく」
 2017.3.19
 13:30-16:10 開場13:00
 池田市民文化会館(アゼリアホール)
 大阪府池田市天神1-7-1

 講演会サイト


「超ひも理論でひらく時空のトビラ」 橋本幸士さん(大阪大学大学院理学研究科教授)

 超ひも理論の話。

1.宇宙を支配する数式がある。
 それが「素粒子の標準理論の作用(+重力)」
 数式が長いが一つの式。
 項の一つ一つは天才物理学者の功績で付け加えられてきた。
 (重力についてはアインシュタイン、電磁気力はマクスウェル、強い力・弱い力はヤン・ミルズ、反粒子はディラック、対称性の破れは南部陽一郎、湯川相互作用は湯川秀樹)
 宇宙の真理を発見する=正しい式を書く。

2.素粒子とは?
 素粒子とは人類が知る最小構成物、時代によって変わる。現在はクオーク。
 宇宙は素粒子でできている。
 物質粒子:クオーク6、レプトン6、ゲージ粒子:4、ヒッグス粒子:1 合計17種類。
 素粒子の数式が宇宙を支配している。
 しかし、なぜ18種類の素粒子があるのかが疑問。
 物質をなす素粒子、力を伝える素粒子、質量を与える素粒子、これらを合わせられると思われているのが「大統一理論」。
 そして、それらに重力を伝える素粒子をも合わせられると思われているのが「超ひも理論」。

3.世の中は素粒子でできている。
 理学部の人間:世の中とは「光と重力」である。

 誰が「光子」を用意したのか。
 超ひも理論なら光は自動的に出てくる。
 なぜ光には「偏光」という性質があるのか?
 素粒子理論では説明がつかないが、光子が開いたひもならばひもの振動の方向が偏光として現れる。(ただし未検証)
 この理論で数式を立てると解ける。(南部陽一郎)

 超ひも理論なら重力も自動的に出てくる。
 重力波には光の偏光に当たるものが2方向ある。重力子が閉じたひもならば説明でき、数式でも解くことができる。

4.偏光素粒子は力を伝える。
 超ひもなら偏光素粒子=重力?
 開いたひもがある方向に移動したときの軌跡を別の方向から閉じたひもが移動した軌跡と解釈することもできる。
 開いたひもは偏光素粒子、閉じたひもは重力子とすると、偏光素粒子は異次元にも伝わる仮装重力として解釈できる。
 つまり、光が3次元空間を伝わるということが、重力が異次元、高次元を伝わると解釈してもいいということ。
 この理論の異次元重力の計算で得られた結果が実際の現象と合致する。

 以前のラボカフェ(■宇宙は縦・横・高さだけなのか?〜超ひも理論と高次元の世界〜@アートエリアB1。(2017.2.21))の話と基本的には同じで、少し話を付け加えた感じ。
 そしてやっぱり最初の掴みは超ひも理論の歌から。

 講演の後の質問で出たこと(一部)。
 「超ひも」とは長さは決まっていなくて、張力が一定であると考える。
 「超ひも」の「超」は超対称性の「超」。


「重力波とニュートリノでひらく宇宙のトビラ」 梶田隆章さん(東京大学宇宙線研究所所長)

 重力波、ニュートリノ、カミオカンデ、スーパーカミオカンデ、KAGRAの話。

1.ニュートリノの話。
 ニュートリノがなぜ重要か?
 超新星爆発を観測するのにニュートリノの観測が欠かせない。
 超新星1987Aのカミオカンデでの観測がノーベル賞につながった。

 超新星爆発はコンピューターシミュレーションで再現できるようになってきた。しかし、まだそれは不完全で実際の現象を観測することは欠かせない。
 光では超新星内部まで見ることができないが、ニュートリノや重力波は内部を通り抜けてくるので内部の情報を得られる。

 今、注目している超新星爆発しそうな星がある。それはオリオン座にある地球から600光年離れたベテルギウス。
 爆発しそうだというものの、明日爆発するかも知れないし1万年後かも知れない、というオーダーでの話。
 ベテルギウスが爆発すると、ニュートリノの観測数がスーパーカミオカンデで2500万個/秒、人体でも50個/秒あると言われる。

 しかし待っていてもなかなか爆発しないので、過去の超新星爆発を観測するという方向でスーパーカミオカンデを改造するそうな。

2.重力波の話。
 アインシュタインが一般相対性理論で重力波が真空中を伝わるとのことを導く。
 それが2016年2月11日(現地)に発見される(アメリカ LIGO)。
 連星ブラックホールの合体による重力波を観測した。
 13億年先で太陽の36倍の質量と29倍の質量をもつブラックホールが合体し、太陽の62倍の質量をもつブラックホールになった。そして太陽の3倍の質量分が重力波になって放出されたとのこと。

 重力波は観測がかなり難しい。
 地球と太陽の距離は1億5000万キロメートル。そこを重力波が通過するとその距離が水素原子1個分くらい変わる。そのレベルの観測を地上の施設で行うのは至難の業。

 重力波望遠鏡は同じ距離の光を通すパイプを90度の角度の方向に作り、光を分岐させて、その先の鏡で反射させて元のところへ戻ってくるタイミングを見てゆがみがあるかを測定し、重力波が通過したかどうかを観測する。

 感度を上げるために現在できることをすべてする。
 施設を地下に建設し、真空にする。鏡を防振のために吊るし20Kに冷却する。
 鏡はサファイアでできており、直径22僉厚さ15僉23kg。
 サファイアでできている理由は極低温で最も性能がいいから。
 研磨も原子レベルの平滑さで行う。

3.重力波天文学。
 重力波で観測する対象。
 ブラックホール連星。
  今回の重力波の発見で新たな謎が。
  今回の合体したブラックホールの元の質量がこれだけ大きかったのはなぜか。
 中性子星連星。
  金やプラチナの生成のメカニズムがわかるかも。
 超新星爆発。
  ニュートリノと重力波の観測でさらに詳しい観測ができる。

まとめ。
 宇宙には光だけでは観測できないことがある。
 そこで、ニュートリノや重力波は大切になってくる。
 KAGRAは2019-2020に観測を始めたい。
 これからの研究に期待して欲しい。そして興味があったら研究に参加して欲しい。


 おまけ。
2017031908市民科学講演会「宇宙と素粒子の新しいトビラをひらく」2
 玄関に掲げられていた看板。

2017031909市民科学講演会「宇宙と素粒子の新しいトビラをひらく」3
 阪急石橋駅の階段の横に大きく「物理学会」と書かれた紙。
 駅の西口を出ると看板を持った人が。
 要所に人を配置していて、地図を見ずに到着できた。